腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、腰の骨の間にある椎間板が変形、突出して、すぐ横から出ている大きな神経を圧迫することで引き起こされる疾患です。主な症状としては腰痛が挙げられ、立ち上がる際や長時間にわたり同じ姿勢をとった場合に増悪することが多くあります。さらに、神経が圧迫されることで、痛みが足に広がる坐骨神経痛を伴う症例もみられます。重症の場合は足のしびれや筋力低下、歩行困難といった症状が現れることもあります。

腰椎椎間板ヘルニアの原因としては以下が挙げられます。

加齢

椎間板の水分量が減少し、椎間板が硬化する。

外傷

事故や急なひねり動作などの外的な要因

遺伝

家族内でヘルニアの症例が多い場合、遺伝的な要因が考えられる。

生活習慣

長時間の座り仕事や重いものを持ち上げる動作、運動不足

椎間板ヘルニアの急性期では、腰への負担を軽減するため姿勢を改善し、炎症を和らげることに焦点を当てます。急性期を過ぎた後は、運動療法を取り入れ、日常生活における体の使い方を見直すことを目指します。多くの場合、約3ヶ月で改善傾向に向かうことが一般的です。

日常生活での腰への負担を減少させるために、正しい姿勢をとること、定期的な休憩を取りながらの作業、適度な運動やストレッチでの筋肉の強化が大切です。また、体重の適切な管理も腰への負担軽減に繋がります。

自宅でのセルフケアもうまく取り入れるといいでしょう。まずアイシングと固定をして、できれば横向きで安静にしてください。痛みが少し引いてきたタイミングでストレッチを始めていきます。方法は仰向けになり両膝を曲げ、両膝をくっつけた状態で足を左右に少しづつ倒していきます。左右10回づつを目安にだんだんと動かせる範囲を広げていきます。1日に3回以上やるようにしてください。

腰椎椎間板ヘルニアは、現代社会の生活習慣病とも言える疾患であり、多くの人々が悩む問題です。しかし、適切な対処と日常生活の改善によって、その症状は大きく改善することが期待されます。早めの診断と対処の開始が重要であり、症状が現れた際には専門家の意見を求めることがおすすめです。